子どもの不登校や素行が永住審査に影響する可能性について#

日本での永住許可申請を検討する際、ご自身の要件だけでなく、ご家族、特に扶養しているお子様の状況が審査にどう影響するのか、ご心配される方は少なくありません。特に、お子様が学校に行っていない「不登校」の状態であったり、何らかの「素行不良」が見られたりする場合、それが永住許可の判断に不利に働くのではないかという懸念が生じます。

この記事では、永住審査の基本的な考え方に触れながら、子どもの不登校や素行の問題が審査に与える影響について、客観的な視点から解説します。

永住審査の基本要件と家族の状況#

まず、永住許可の審査は、主に以下の3つの要件に基づいて行われます。

  1. 素行が善良であること(素行善良要件): 法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
  2. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件): 公的負担にならず、安定した生活が見込まれること。
  3. その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益適合要件): 原則として10年以上日本に在留し、納税などの公的義務を履行していることなど、日本の社会への貢献が認められること。

永住申請は、申請者本人だけでなく、生計を同一にする家族全体が一つの単位として評価される側面があります。そのため、扶養しているお子様の状況も、これらの要件、特に「素行善良要件」や「国益適合要件」との関連で考慮される可能性があります。

ケース1:子どもの「不登校」が審査に与える影響#

結論から申し上げますと、お子様が不登校であること自体が、直ちに永住申請の不許可理由となる可能性は極めて低いです。

日本の法律において、不登校は犯罪行為ではありません。様々な背景や事情から学校に通えない子どもがいることは社会的に広く認識されており、入管の審査においても、その事実だけで申請者家族の素行が不良であると判断されることは通常ありません。

ただし、審査官が家庭環境について確認を深める可能性はあります。審査は書面に基づいて行われるため、何も説明がなければ「親が子どもの教育義務を放棄しているのではないか」といった不要な疑念を招くリスクもゼロではありません。

そのため、もしお子様が不登校の状態にある場合は、申請時に提出する「理由書」などで、その背景や家庭での対応について丁寧に説明することが重要です。

  • 不登校に至った経緯(例:いじめ、心身の不調など)
  • 家庭での学習サポートやフリースクールへの通学状況
  • 学校や教育支援センター、医療機関などと連携して問題解決に取り組んでいる姿勢

上記のような点を具体的に記述し、親として責任を持って子どもの将来を考え、誠実に対応していることを示すことで、審査官の理解を得やすくなります。

ケース2:子どもの「素行不良」が審査に与える影響#

一方、お子様の「素行不良」については、その内容や程度によって審査に直接的な影響を及ぼす可能性があります。

特に注意が必要なのは、お子様が日本の法律に触れる行為をしてしまった場合です。例えば、万引き、暴力行為、バイクの無免許運転などで警察に補導されたり、逮捕されたり、あるいは家庭裁判所の審判を受けたりした事実がある場合、それは家族全体の「素行善良要件」を満たしていないと判断される一因になり得ます。

これは、親の監督責任が問われるためです。子どもが法を犯す行為をした場合、その親が日本の法規範を遵守する意識が低いと見なされる可能性があります。そうなると、申請者自身の「素行善良要件」や、日本の社会の構成員としてふさわしいかという「国益適合要件」の観点から、厳しい評価を受けることになります。

ただし、学校での些細なトラブルや、反抗期における一時的な態度の問題といった、法律に触れない範囲の事柄であれば、通常は審査で問題視されることはありません。境界線は、その行為が刑事事件や少年事件として扱われるレベルかどうかが一つの目安となります。

もし、お子様が過去に警察の世話になるなどの重大な問題を起こした経緯がある場合は、その事実を正直に申告し、親としての深い反省の意、そして再発防止のために家族でどのような取り組みをしているかを具体的に示すことが不可欠です。

まとめ#

子どもの状況が永住審査に与える影響をまとめると、以下のようになります。

  • 不登校: それ自体が不許可の直接的な理由になることはほとんどありません。しかし、理由書で背景や親の誠実な対応を説明することが望ましいです。
  • 素行不良: 法律に触れるレベルの重大な素行不良は、家族全体の素行善良要件に抵触し、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。親の監督責任が問われます。

永住審査は、申請者とその家族が、将来にわたって日本の社会の安定した一員として生活していくことができるかを総合的に判断する手続きです。もしお子様のことで懸念事項がある場合でも、それを隠すのではなく、問題に真摯に向き合い、解決に向けて努力している姿勢を客観的な資料と共に示すことが、審査官の理解を得るための最も誠実な道であると言えるでしょう。


運営者情報  |  プライバシーポリシー  |  お問い合わせ

© 2026 Japan Permanent Residency Q&A Database