理由書の書き方:資格外活動違反(オーバーワーク)への反省と対策#

日本の在留資格を持つ外国人が、許可された就労時間を超過して働いてしまう「資格外活動違反」、通称オーバーワークは、在留期間更新や変更申請において不許可となる主要な原因の一つです。一度違反をしてしまった事実は消せませんが、入出国在留管理庁(入管)に対して誠実な説明と反省を示すことで、再度のチャンスが得られる場合があります。その際に最も重要となる書類が「理由書(または反省文)」です。

本記事では、過去のオーバーワークに対する理由書の構成、反省の示し方、そして再発防止策の書き方について、客観的な視点から詳細に解説します。

資格外活動違反の重大性を理解する#

まず、理由書を書く前に、オーバーワークがなぜ重大な問題とされるかを理解する必要があります。留学生や家族滞在者が取得する「資格外活動許可」には、原則として「週28時間以内」という厳格な制限があります。

この制限を超えて働くことは、日本の出入国管理及び難民認定法(入管法)違反となります。入管は、課税証明書や源泉徴収票などの公的書類を通じて、申請人の過去の収入状況や稼働時間を正確に把握することが可能です。したがって、「バレないだろう」と考えて事実を隠蔽することは、状況を悪化させるだけでなく、虚偽申請とみなされ、在留資格の取り消しや退去強制事由に該当するリスクすらあります。

理由書に求められる4つの要素#

オーバーワークの違反がある場合、理由書には以下の4つの要素を論理的かつ誠実に記載する必要があります。

  1. 事実の認否と詳細(Fact)
  2. 違反に至った原因(Cause)
  3. 反省の情(Remorse)
  4. 再発防止策(Prevention)

これらを感情的に訴えるのではなく、客観的な事実に基づいて記述することが求められます。

1. 事実の認否と詳細#

最も重要なルールは「嘘をつかないこと」です。入管から指摘された、あるいは自身で認識している超過勤務の事実を正直に認めます。 具体的には、「いつ」「どこのアルバイト先で」「週何時間働いていたか」を明記します。複数のアルバイトを掛け持ちしていた場合は、その合算時間が週28時間を超えていた事実を正確に申告してください。ここで記載する数字と、課税証明書の収入額に矛盾が生じないよう、過去の給与明細を確認することが不可欠です。

2. 違反に至った原因#

なぜルールを破ってしまったのか、その原因を説明します。ここでは「知らなかった」という言い訳は通用しにくい傾向にありますが、もし本当に制度を誤解していたのであれば、どのような誤解をしていたのかを具体的に書きます。

  • 誤解の例: 「週28時間の計算を、月曜から日曜ではなく、給与締日で計算してしまっていた」「長期休暇中以外も週40時間働けると勘違いしていた」など。
  • 生活苦の場合: 学費や生活費を稼ぐ必要があったという経済的な事情を書く場合もありますが、それは「法律を破ってよい理由」にはなりません。事情を説明しつつも、それが誤った判断であったことを認める姿勢が必要です。

3. 反省の情#

自身の行為が日本の法律に違反するものであり、入管制度の信頼を損なう行為であったことを深く反省する言葉を述べます。単に「ごめんなさい」と書くのではなく、「本来の在留目的(学業や家族との同居)をおろそかにし、就労に偏ってしまったこと」に対する後悔を表現することが重要です。

4. 再発防止策#

入管審査官が最も重視するポイントの一つが、「許可を出しても、また同じ違反を繰り返すのではないか」という懸念を払拭できるかどうかです。精神論(頑張ります、気をつけます)だけでは不十分です。物理的・具体的な対策を提示してください。

  • 具体的な対策の例:
    • 「現在、アルバイトはすべて退職しており、学業(または本来の活動)に専念している」
    • 「今後はアルバイトを行わず、本国からの送金のみで生活する(送金証明を添付)」
    • 「シフト管理アプリを使用し、週20時間以内に抑えるよう設定した」
    • 「店長に週28時間制限について説明し、シフトが超過しないよう契約書を結び直した」

書く際の注意点と「やってはいけないこと」#

勤務先や他人のせいにしない#

「店長に頼まれたから断れなかった」「先輩もやっているから大丈夫だと思った」といった他責的な記述は避けるべきです。最終的に働くことを選択したのは申請人自身であり、法令遵守の責任は本人にあります。他人のせいにすることは、反省が足りないとみなされる要因となります。

感情的になりすぎない#

反省を示すことは大切ですが、過度に感情的な嘆願(「ビザがないと生きていけません」「日本が大好きです」の連呼)ばかりで、肝心の事実関係や対策が曖昧な文章は評価されません。ビジネス文書のような丁寧なトーンで、論理的に構成してください。

まとめ#

過去のオーバーワークは重大な違反ですが、自ら申告し、真摯な反省と具体的な改善策を示すことで、情状酌量の余地が生まれる可能性があります。理由書は、審査官に対する唯一の弁明の機会です。事実を隠さず、ごまかさず、誠実な姿勢で作成することが、在留資格の維持につながる唯一の道です。


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