永住申請中に子供が留学する場合の居住実態と審査への影響#

家族全員で日本の永住権を申請している最中に、子供が海外へ留学することになった場合、審査にどのような影響が出るのかという懸念は、教育熱心な家庭において頻繁に生じる問題です。永住許可のガイドラインには「引き続き日本に在留していること」という要件が含まれており、申請中の出国、特に「留学」という長期的な不在がどのように扱われるかを正しく理解しておくことは極めて重要です。ここでは、入管制度の原則に基づき、永住申請中の留学と居住実態の継続性について解説します。

永住許可における「居住要件」の基本原則#

永住許可申請において最も重要な要件の一つが「引き続き10年以上日本に在留していること」です(配偶者や高度専門職などの特例を除く)。この「引き続き」という文言は、単にビザ(在留資格)が継続していることだけを指すのではなく、生活の本拠地(実態)が日本にあり続けることを意味します。

一般的に、一度の出国で90日(約3ヶ月)以上日本を離れる場合、あるいは1年間の合計で100日から150日以上日本を不在にする場合、この「居住の継続性」が途切れたとみなされる可能性が高くなります。継続性がリセットされると、その時点から再度居住期間を積み上げ直す必要があるため、永住審査においては致命的な要因となり得ます。

申請中の子供の留学と審査リスク#

家族単位で永住申請を行う場合、親(主たる生計維持者)が日本に住み続けていれば、子供が留学しても問題ないのではないかと考えられがちです。しかし、入管の実務運用においては、申請者一人ひとりに対して居住要件の審査が行われます。

生活の拠点がどこにあるか#

子供が海外の高校や大学へ長期留学(1年以上など)をする場合、その子供の「生活の拠点」は日本から海外へ移ったと判断されるのが一般的です。夏休みなどの短期留学であれば「一時的な不在」として説明がつきますが、年単位で学校に通うために出国する場合、客観的に見て日本に居住実態があるとは言い難くなります。

審査期間中の要件維持#

永住申請は、申請時点だけでなく、許可の結果が出るまでの間も要件を満たし続けている必要があります。審査期間中に子供が留学で出国し、長期間日本に戻らない状態になると、審査官は「この申請人(子供)は日本に定着する意思、あるいは実態がない」と判断せざるを得ません。その結果、日本に残っている両親は許可されても、留学中の子供だけが不許可となるケース、あるいは家族全体の審査が長期化するケースが想定されます。

不許可を避けるための考え方と対策#

もし、永住申請中に子供の留学が避けられない場合、どのような判断基準を持つべきでしょうか。

まず、留学の期間が「短期」か「長期」かが大きな分かれ目となります。数週間から数ヶ月程度の短期留学や交換留学であれば、日本の学校に籍を置いたままであり、生活の拠点は依然として日本にあると主張することが可能です。この場合、理由書において留学の性質が一時的であることを明確に説明することが推奨されます。

一方で、正規留学として年単位で出国する場合、子供の永住申請を取り下げる、あるいは最初から子供を含めずに親だけで申請するという選択肢も検討する必要があります。親が永住権を取得しておけば、子供が将来日本に戻って定住しようとした際に、「永住者の配偶者等」や「定住者」への変更、あるいは将来的な永住申請がスムーズになる可能性があるからです。

無理に申請を維持したまま出国し、居住実態なしとして不許可歴がつくよりも、制度の趣旨を理解し、実態に合わせた申請を行うことが賢明です。

まとめ#

永住申請中の子供が留学により長期間日本を離れることは、居住要件の「継続性」を損なう重大なリスク要因となります。入管審査においては、在留資格の有無だけでなく、物理的な滞在日数と生活の本拠地がどこにあるかが厳格に見られます。長期留学の場合は、子供の申請時期を見直すか、親のみ先行して申請するなど、家族のライフプランと入管法の原則を照らし合わせた慎重な判断が求められます。


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