永住許可申請中に在留期間が満了する場合の特例期間の解説#

日本での永住許可申請は、審査に数ヶ月から1年以上かかることが一般的です。そのため、申請結果を待っている間に、現在お持ちの在留資格の在留期間が満了してしまうという状況が発生することがあります。このような場合に適用されるのが「特例期間」という制度です。この制度を正しく理解していないと、意図せず不法滞在(オーバーステイ)になってしまうリスクもあります。 この記事では、永住許可申請中の特例期間の仕組み、その期間中に注意すべき点、そして万が一不許可になった場合の対応について、客観的な情報に基づいて詳しく解説します。

特例期間とはどのような制度か#

特例期間とは、在留資格に関する特定の申請を行った場合、その申請に対する処分がなされるまでの間、または従前の在留期間が満了してから2か月が経過する日までの間、引き続き日本に在留できるとする制度です。

この制度は、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)第20条第6項に規定されている在留期間更新許可申請等に関する規定が、同法第22条の2第3項によって永住許可申請にも準用されることで適用されます。

具体的には、永住許可申請を在留期間の満了日までに行った場合、以下のいずれか早い方の日まで、現在お持ちの在留資格のまま日本に在留し続けることができます。

  1. 永住許可申請の結果(許可または不許可)が出る日
  2. もともとの在留期間が満了した日から2か月が経過する日

例えば、在留期限が8月31日の方が、それ以前に永住許可申請を行った場合、結果が出るのが9月30日であればその日まで、結果がなかなか出なくても、在留期限から2か月後の10月31日までは適法に滞在できる、ということです。この期間中であることの証明は、申請時に在留カードの裏面に押される「在留資格変更許可申請中」または「在留期間更新許可申請中」といったスタンプによって行われます。

特例期間中に注意すべき重要なポイント#

特例期間中は、従前の在留資格が継続しているものとして扱われます。しかし、いくつか注意すべき重要な点があります。

就労活動について#

特例期間中も、従前の在留資格で許可されていた範囲内での就労活動を継続することが可能です。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をお持ちの方は、引き続きその範囲の業務に従事できます。転職も可能ですが、新しい仕事も同様に、従前の在留資格の活動範囲内でなければなりません。

在留資格の更新申請の必要性#

特例期間は「在留期限から最長2か月」という上限がある点が非常に重要です。永住許可申請の審査は、時に半年以上かかることもあります。この場合、特例期間の2か月を過ぎてしまうと、オーバーステイになってしまいます。

これを避けるためには、永住許可申請とは別に、現在お持ちの在留資格の「在留期間更新許可申請」も行う必要があります。通常、在留期間更新許可申請は、在留期間が満了する約3か月前から可能です。永住申請の審査が長引きそうだと予想される場合は、必ずこの更新申請も併せて行っておくことが、安定した在留状態を維持するために不可欠です。

更新申請をしておけば、永住申請の結果が出る前に特例期間の2か月が過ぎたとしても、今度は更新申請の結果が出るまで、または更新前の在留期限から2か月後まで、という新たな特例期間が適用され、引き続き適法に滞在できます。

海外への渡航(みなし再入国許可)#

特例期間中であっても、有効な旅券と在留カードを所持していれば、みなし再入国許可制度を利用して出国し、1年以内(または特例期間の終了日まで)に再入国することが可能です。ただし、出国中に永住申請が不許可となり特例期間が終了した場合や、特例期間の2か月の期限が切れてしまうと、再入国できなくなるリスクがあるため、長期の出国には注意が必要です。

永住申請が不許可となった場合の対応#

万が一、永住許可申請が不許可となった場合、その通知を受けた時点で特例期間は終了します。 この時、事前に在留期間更新許可申請を併せて行っていたかどうかが重要になります。

  • 更新申請をしていた場合: 永住申請は不許可になりましたが、在留期間更新の審査は継続されます。その審査結果を待つことになります。多くの場合、更新が許可されれば、引き続き日本に在留することができます。
  • 更新申請をしていなかった場合: 在留期間が既に満了しているため、速やかに出国準備のための「特定活動」ビザへの変更手続きを行うか、出国しなければなりません。この状態に陥らないためにも、事前の更新申請が強く推奨されます。

まとめ#

永住許可申請中の特例期間は、申請者が結果を待つ間も安心して日本での生活を続けられるようにするための重要な制度です。しかし、この期間には「在留期限から最長2か月」という上限があることを決して忘れてはなりません。

永住審査が長引く可能性を考慮し、永住許可申請とは別に、現在お持ちの在留資格の更新申請も忘れずに行うことが、ご自身の在留資格を安定させる上で最も確実な方法です。手続きに関して不明な点がある場合は、必ず出入国在留管理庁のインフォメーションセンターや、お近くの地方出入国在留管理局に問い合わせ、正確な情報を確認するようにしてください。


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