養子縁組をした子供を連れて永住申請する場合の追加資料と審査のポイント#

永住許可申請において、実子ではなく「養子縁組をした子供」を含めて家族全員で申請を行う場合、一般的な申請書類に加えて、その養子縁組の成立と実態を証明するための詳細な資料が求められます。

日本の出入国在留管理庁(入管)は、養子縁組が入管法上の利益(在留資格の取得など)のみを目的とした「偽装養子縁組」でないかを慎重に審査します。そのため、単に戸籍上の手続きが完了していることだけでなく、親子関係の実体があることを客観的に証明する必要があります。

ここでは、養子縁組をした子供を永住申請に含める際に必要となる追加資料や、審査において重要視されるポイントについて解説します。

基本的な考え方と審査の基準#

まず、永住許可申請における「子供」の定義について理解しておく必要があります。入管法上の家族関係において、実子と養子は原則として同等に扱われますが、養子の場合はその縁組が「真正なもの」であるかどうかが最大の争点となります。

申請人(親)が永住要件を満たしており、その扶養を受けている子供も同時に永住申請をする場合、子供自身が独立して生計を営む能力がなくても、親の資力を基に審査されます。これを「家族一体の原則」と呼ぶことがありますが、養子の場合は以下の点が厳しくチェックされます。

  1. 養子縁組の法的有効性: 日本および本国の法律に基づき適正に成立しているか。
  2. 養育の実績: 実際に同居し、扶養している事実があるか。
  3. 縁組の経緯と動機: 人道的な理由や家族結合のための縁組か、あるいは在留資格目的か。

養子縁組の事実を証明する公的書類#

まず、法律上の親子関係が成立していることを証明する公的書類が必須です。

日本の役所に届出をしている場合#

日本人配偶者がいる場合や、日本の方式で養子縁組を行った場合は、以下の書類が必要です。

  • 戸籍謄本(全部事項証明書): 養子縁組の事実、縁組日、養親と養子の氏名が記載されたもの。
  • 養子縁組届受理証明書: 戸籍への記載が間に合わない場合や、より詳細な届出事実を証明する場合に用います。

外国の法律に基づき養子縁組を行った場合#

外国の法律に基づいて縁組が成立している場合は、その国が発行する証明書が必要です。

  • 養子縁組証明書(Certificate of Adoption): 本国政府機関が発行したもの。
  • 出生証明書(Birth Certificate): 子供の実父母が誰であるか、および本人確認のために必要です。
  • 判決謄本: 国によっては裁判所の許可が必要なため、その判決文が必要になる場合があります。

※ 外国語で作成された書類には、必ず日本語の翻訳文を添付する必要があります。

審査を有利に進めるための「説明資料」と「実態証明」#

公的書類だけでは、審査官が抱く「偽装ではないか?」という疑念を完全に払拭できない場合があります。そのため、以下の任意提出資料(あるいは事情説明書)を積極的に準備することが推奨されます。

1. 養子縁組に至った経緯を説明する理由書#

なぜ養子縁組をする必要があったのかを詳細に記述した文書です。以下の項目を具体的に記載します。

  • 実父母の状況(死亡、行方不明、経済的困窮など)。
  • 養親(申請人)と子供とのこれまでの交流履歴。
  • 養子縁組を決意した時期とその理由。
  • 今後の日本での養育計画(教育、生活環境など)。

2. 扶養の実績を示す資料#

養子縁組をしただけで、実際には別居していたり、送金をしていなかったりする場合は、永住許可が下りない可能性が高くなります。

  • 送金記録: 海外にいた期間がある場合、継続的に生活費を送っていた証拠。
  • 同居の事実: 住民票だけでなく、生活を共にしていることがわかる写真(スナップ写真)や、学校の通知表(保護者欄に申請人の名前があるもの)など。

3. 実父母の同意書#

実父母が健在である場合、実父母が養子縁組および日本への永住(移住)に同意していることを示す書面が重要です。これは、国際的な子の奪取(ハーグ条約関連)の疑いを避けるためにも重要です。実父母の署名証明(サイン証明)と共に提出します。

特殊なケース:特別養子縁組と普通養子縁組#

日本の民法には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があります。

  • 普通養子縁組: 実父母との親子関係が残ります。入管実務では、実父母との関係が続いているため、なぜ養親が引き取る必要があるのかという「必要性」が強く問われます。
  • 特別養子縁組: 実父母との法的関係が終了します。実子とほぼ同様に扱われますが、成立には家庭裁判所の審判が必要です。

永住申請においては、どちらの縁組であっても申請は可能ですが、普通養子縁組の場合は、前述の「経緯説明」がより重要になります。

まとめ#

養子縁組をした子供を連れて永住申請を行う場合、通常の永住申請書類に加えて、「法的成立の証明」「養育の意思と能力」「縁組の正当性」を示す追加資料が不可欠です。

入管審査官は書面審査のみで判断を行うため、口頭で事情を説明する機会はありません。したがって、疑問を持たれないよう、あらかじめ詳細な理由書や証拠書類を揃えて提出することが、許可への近道となります。誠実かつ客観的な資料作りを心がけてください。


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