日本の高度人材ポイント制度における投資額加算の要件解説#

日本の在留資格「高度専門職」は、専門的な能力を持つ外国人材の受け入れを促進するために設けられた制度です。この在留資格の許可は、学歴、職歴、年収などの項目を点数化し、合計ポイントが一定基準(70点)に達するかどうかで判断されます。

このポイント計算には、基本項目に加えて特定の条件を満たすことで得られる「特別加算」が存在します。その中でも、日本の経済への貢献を評価する重要な項目の一つが「我が国への投資等」です。本記事では、日本への投資額が高度人材ポイントに加算されるための具体的な条件や注意点について、客観的な情報に基づいて詳しく解説します。

投資によるポイント加算の概要#

高度人材ポイント計算表において、「我が国への投資等」に関する項目は、経営者や投資家として日本経済に貢献する人材を評価するものです。この項目でポイントを得るためには、以下の基本条件を満たす必要があります。

  • 加算されるポイント: 10点
  • 投資額の要件: 1億円以上の投資

この「1億円以上の投資」という条件は、単に日本の不動産や株式を購入するだけでは満たされません。ポイント制度が評価するのは、日本の産業や雇用に直接的な影響を与える「事業への投資」です。

ポイント加算の対象となる「投資」の具体的な条件#

ポイント加算の対象となる「投資」とは、出入国在留管理庁が定める「本邦の公私の機関に対し、投資(当該機関の設置等に係るものに限る。)を行っている場合」に該当するものを指します。この定義をより深く理解するために、いくつかの要件に分けて解説します。

1. 投資の主体#

投資は、高度専門職の在留資格を申請する本人によって行われる必要があります。法人が投資を行う場合は、申請者本人がその法人の経営に実質的に関与している(例:代表取締役であるなど)ことが求められます。第三者が行った投資や、申請者が関与していないファンドからの投資は対象外です。

2. 投資の対象#

投資の対象は「事業」そのものである必要があります。具体的には、申請者が日本国内で事業を運営するために設立した会社(または既存の会社)の資本金や、事業の設備投資などに充てられる資金を指します。

対象とならない投資の例:

  • 不動産投資: 居住用や賃貸用のマンション、土地などの購入は、事業への直接投資とは見なされず、原則として対象外です。ただし、その不動産が事業を行うための事務所や工場として不可欠な場合は、事業投資の一部として認められる可能性があります。
  • 株式投資(ポートフォリオ投資): 上場株式の購入など、資産運用を目的とした金融投資は対象になりません。評価されるのは、事業の経営権に影響を与えるような、事業そのものへの出資です。

3. 投資額の証明#

投資額が1億円以上であることを客観的な資料で証明する必要があります。この証明は非常に厳格に審査されます。

主な証明資料:

  • 法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書): 資本金の額が記載されており、誰がいくら出資したかを確認するために用いられます。
  • 事業計画書: どのような事業に、どのように資金が投じられるかを具体的に説明します。
  • 送金記録や預金通帳の写し: 実際に1億円以上の資金が申請者から事業用の口座に移動したことを証明します。
  • 決算報告書(貸借対照表など): 会社の資産状況を示し、投資された資金が事業のために使われていることを裏付けます。
  • 事業所の賃貸借契約書や写真: 事業の実態があることを示すための補足資料です。

これらの資料を通じて、投資が一時的なものではなく、継続的な事業活動のために行われたものであることを示すことが重要です。

注意すべきポイント#

投資によるポイント加算を目指す際には、いくつか注意すべき点があります。

  • 事業の実態: 投資先は、ペーパーカンパニーであってはなりません。明確な事業計画があり、日本国内で実際に事業活動が行われている、あるいは開始されることが前提です。
  • 資金の出所: 投資する1億円の資金の出所や形成過程について、説明を求められる場合があります。透明性のある資金であることが不可欠です。
  • タイミング: ポイント計算の基準日(通常は申請時)において、1億円以上の投資が行われ、事業が継続している状態である必要があります。

まとめ#

高度人材ポイント制度における投資加算は、日本の経済成長に直接貢献する意欲と能力のある外国人を優遇するための制度です。そのため、単に1億円という金額を日本国内に移動させるだけではポイントは付与されません。「日本国内での事業活動」に直接結びつく、実態のある投資であることが厳格に求められます。この条件を正しく理解し、事業計画や資金の流れを明確に示すことができる客観的な資料を準備することが、ポイント獲得の鍵となります。


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