高度人材ポイント制度の特別加算:証明書類準備のポイント#
高度人材ポイント制度は、学歴、職歴、年収などの項目をポイントに換算し、合計が70点以上に達した場合に、出入国管理上の優遇措置を受けられる制度です。この制度には、特定の要件を満たすことで得られる「特別加算」という項目があり、ポイントを大きく伸ばすための重要な鍵となります。
しかし、これらの特別加算を申請するためには、要件を満たしていることを客観的に証明する書類の提出が不可欠です。ここでは、各特別加算項目で求められる証明書類と、その準備における重要なポイントを解説します。
成長分野での就労(10点)#
日本の産業の発展に資すると期待される先端的な事業(成長分野)に従事する場合、10点が加算されます。この「成長分野」は法務省が定める分野であり、対象となる事業を行っていることを証明する必要があります。
対象事業の例:
- 第4次産業革命関連分野(IoT、AI、ビッグデータ、ロボットなど)
- 未来投資戦略に掲げられた分野
- クールジャパン関連事業
証明書類と準備のコツ: この加算の証明で最も重要なのは、勤務先企業が経済産業省などから特定の支援措置を受けている客観的な証拠を提出することです。
- 中小企業の場合: 中小企業庁の「J-Startup」企業に選定されている場合などが該当します。この場合、中小企業庁のウェブサイト等で公表されている対象企業リストの写しを提出します。企業の自社サイトやパンフレットだけでは、客観的な証明として不十分と判断される可能性があります。
- 補助金の交付を受けている場合: 経済産業省などが実施するイノベーション促進のための支援措置(補助金など)を受けている企業の証明としては、「補助金交付決定通知書」の写しなどが有効です。
- 共通の注意点: 上記の書類に加え、申請者自身がその企業で「成長分野に関連する業務」に従事することを証明するために、業務内容が具体的に記載された雇用契約書や職務記述書の提出も求められます。
トップレベル大学の卒業(10点)#
世界的に評価の高い大学を卒業している場合、10点が加算されます。対象となるのは、以下のいずれかに該当する大学です。
- 世界大学ランキングのうち、2つ以上で100位以内にランクインしている大学
- 日本の文部科学省が実施するスーパーグローバル大学創成支援事業(トップ型)の採択校
証明書類と準備のコツ:
- 証明書類: 卒業証明書または学位記の写しを提出します。
- 対象大学リストの確認: 対象となる大学のリストは、出入国在留管理庁のウェブサイトで公表されています。申請前に、ご自身の出身大学がリストに含まれているかを必ず確認してください。ランキングは毎年変動する可能性があるため、常に最新の情報を参照することが重要です。
- 大学名の表記: 卒業証明書に記載されている大学の正式名称と、リスト上の名称が一致していることを確認しましょう。
日本語能力(15点)#
高い日本語能力を有することも大きな加算要因となります。以下のいずれかを満たす場合に15点が加算されます。
- 日本語能力試験(JLPT)でN1に合格している。
- 外国の大学で日本語を専攻して卒業している。
証明書類と準備のコツ:
- JLPT N1の場合: 日本語能力試験N1の「認定結果及び成績に関する証明書」の写しを提出します。N2以下は加算の対象外ですので注意が必要です。
- 大学で日本語を専攻した場合: 卒業した大学が発行する卒業証明書または学位記の写しを提出します。この書類には、専攻が「日本語学」や「日本語文学」など、日本語関連であることが明確に記載されている必要があります。単に大学で日本語の授業を履修しただけでは、「専攻」とは認められないため、注意が必要です。
書類準備における共通の注意点#
- 客観性の担保: 提出する書類は、公的機関や権威ある第三者機関が発行したものであることが原則です。自社作成の資料のみで証明を試みることは避け、客観的な証拠を揃えることが重要です。
- 外国語書類の翻訳: 証明書類が日本語以外で作成されている場合は、必ず日本語の翻訳を添付する必要があります。翻訳には、翻訳者の氏名と連絡先を記載し、署名または押印することが求められます。
- 最新情報の確認: 高度人材ポイント制度に関するルールや対象リストは、変更されることがあります。申請準備の際は、常に出入国在留管理庁の公式ウェブサイトで最新の情報を確認するようにしてください。
まとめ#
高度人材ポイント制度の特別加算は、申請を有利に進めるための強力な要素です。しかし、その恩恵を受けるためには、各要件を客観的かつ明確に証明する書類を、不備なく準備することが不可欠となります。各項目の要件を正しく理解し、求められる書類を慎重に準備することが、円滑な手続きの鍵となるでしょう。