高度専門職ポイント計算:重複する評価項目の加算ルール解説#

日本の高度専門職ビザ(在留資格)は、申請者の学歴、職歴、年収、研究実績などを点数化し、合計が一定基準(70点以上)に達した場合に認められる制度です。このポイント計算を行う際、特に複数の資格や経歴をお持ちの方が、「同じカテゴリー内で複数の項目に該当する場合、ポイントはどのように計算されるのか」という疑問を抱くことがあります。例えば、日本語能力を示す資格を複数持っている場合などがこれにあたります。

この記事では、高度専門職のポイント計算における、重複する評価項目の基本的な計算ルールについて、具体例を交えながら客観的に解説します。

ポイント計算の基本原則「有利な項目を一つ選択」#

高度専門職のポイント計算における最も重要な原則は、**「同一の評価項目内では、最も高い点数が得られるものを一つだけ選択して加算する」**というものです。これは、一人の申請者の同じ能力や経歴が二重に評価されることを防ぐためのルールです。

例えば、「学歴」という大きな評価項目の中に「博士号(30点)」と「修士号(20点)」の両方の基準を満たしていても、両方を合算して50点とすることはできません。この場合、より高い点数が得られる「博士号」の30点のみが加算対象となります。

この原則は、学歴だけでなく、職歴、年収、日本語能力など、ほとんどすべての評価項目に適用されます。申請者は、各項目内で自身が該当する基準をすべて確認し、その中で最も有利な(点数が高い)ものを一つだけ選んで申告する必要があります。

具体例で見る重複加算のルール#

ここでは、具体的なケースを挙げて、重複する項目の計算方法をさらに詳しく見ていきます。

ケース1:日本語能力(例:日本語能力試験N1とN2)#

特別加算の項目には「日本語能力」があります。現在の制度では、以下のようになっています。

  • 日本語能力試験(JLPT)N1合格、またはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上:15点
  • 日本語能力試験(JLPT)N2合格、またはBJTビジネス日本語能力テストで400点以上:10点

もし申請者がJLPT N1とN2の両方に合格している場合、両方の点数を合算することはできません。この場合、より高い点数が得られる「N1合格」の15点のみが加算されます。同様に、JLPT N1とBJTで480点以上の両方の要件を満たしている場合でも、同じ15点のカテゴリに属するため、加算されるポイントは15点のみです。

ケース2:学歴(例:博士号と修士号)#

前述の通り、学歴の項目も同様のルールが適用されます。

  • 博士号(専門職学位を含む):30点
  • 修士号(専門職学位を含む):20点
  • 大学卒業またはこれと同等以上の教育:10点

博士号と修士号の両方を取得している申請者は、最も高い点数である博士号の30点を加算します。修士号の20点を追加で加算することは認められません。

ケース3:職歴(実務経験年数)#

従事しようとする業務に関連する実務経験年数も、ポイント加算の対象です。

  • 10年以上:20点
  • 7年以上10年未満:15点
  • 5年以上7年未満:10点
  • 3年以上5年未満:5点

例えば、12年の実務経験がある場合、「10年以上」「7年以上」「5年以上」「3年以上」のすべての基準を満たしますが、加算されるのは最も高い点数である「10年以上」の20点のみとなります。

異なる評価項目間での加算は可能です#

注意すべき点は、この「一つだけ選択」のルールは、あくまで**「同一の評価項目内」**に限定されるということです。異なる評価項目については、それぞれで得たポイントを合算することができます。

例えば、以下の経歴を持つ申請者の場合を考えます。

  • 学歴: 博士号取得(30点)
  • 職歴: 実務経験10年(20点)
  • 年収: 30歳で年収850万円(30点)
  • 日本語能力: JLPT N1合格(15点)

この場合、「学歴」「職歴」「年収」「日本語能力」はそれぞれ別の評価項目であるため、各項目で得たポイントをすべて合算できます。

合計点 = 30点 + 20点 + 30点 + 15点 = 95点

このように、異なるカテゴリの強みを組み合わせて合計70点以上を目指すのが、この制度の基本的な考え方です。

まとめ#

高度専門職ビザのポイント計算において、重複する評価項目に関するルールは非常に明確です。同一の評価項目(学歴、職歴、日本語能力など)の中で複数の基準を満たす場合は、最も高い点数が得られるものを一つだけ選択して加算します。一方で、異なる評価項目から得られるポイントは、それぞれを合算することが可能です。

正確なポイント計算は、ビザ申請の成功に不可欠です。申請を検討する際は、出入国在留管理庁が公表している最新のポイント計算表を参照し、自身の経歴を各項目に正しく当てはめて慎重に計算することが重要です。


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