永住申請の不許可通知を受けた後の再申請までの待機期間について#

日本の永住許可申請において「不許可」の通知を受け取ることは、申請者にとって非常に大きな精神的負担となります。将来の生活設計が崩れてしまったかのような不安に襲われるかもしれませんが、不許可は必ずしも「永久的な拒絶」を意味するものではありません。

多くの申請者が抱く疑問の一つに、「一度不許可になった後、どのくらいの期間を空ければ再申請ができるのか」というものがあります。本記事では、入管制度の客観的なルールと実務上の傾向に基づき、再申請までの待機期間や必要な準備について詳細に解説します。

再申請までの法的な「待機期間」は存在しない#

まず、制度上の基本原則を明確にします。入管法(出入国管理及び難民認定法)および関連規則において、「不許可処分を受けた後、◯ヶ月間は再申請をしてはならない」という明文規定はありません。

一般的に、在留資格の変更や更新が不許可になった場合や、短期滞在などの一部のケースでは「6ヶ月程度空けることが望ましい」という風説が流れることがありますが、永住申請に関しては、理論上は不許可の翌日に再申請を行うこと自体は禁止されていません。

しかし、これは「すぐに再申請すれば許可される」という意味では決してありません。永住申請における審査は、申請時点での状況を総合的に判断するものです。したがって、不許可となった「原因」が解消されていない状態で、期間だけを空けて(あるいは期間を空けずに)再申請を行っても、結果は再び不許可となる可能性が極めて高いといえます。

つまり、再申請までの期間は「一律に決まっている時間」ではなく、「不許可理由を解消し、永住の要件を満たす状態に回復するまでにかかる時間」によって個別に決定されるのです。

不許可理由ごとの具体的な待機期間の目安#

再申請の時期を見極めるためには、まず管轄の地方出入国在留管理局へ赴き、審査官から具体的な不許可理由の説明を聞くことが不可欠です。そこで判明した理由に応じた、現実的な待機期間の目安を解説します。

1. 年収や経済基盤が理由の場合#

収入要件(独立生計要件)を満たしていないと判断された場合、単に時間を置くだけでは状況は改善しません。 一般的に、過去3年(または1年、5年など申請区分による)の所得証明が審査対象となります。もし直近の年収が基準に達していなかった場合、翌年の住民税課税証明書・納税証明書が発行される時期、つまり次の6月頃まで待つ必要があります。 また、扶養家族の人数が多すぎて所得要件を満たさないと判断された場合は、扶養を外す手続きを行った上で、その状態が反映された新たな課税証明書が出る翌年まで待つのが合理的です。したがって、このケースでの待機期間は「約1年」となることが多いです。

2. 年金・健康保険の未納や遅納が理由の場合#

近年、永住審査において最も厳格化されているのが社会保険の納付状況です。「支払っている」だけでなく「納期限を守っている」ことが絶対条件となります。 もし過去の納付に遅れがあったために不許可となった場合、未払い分を即座に支払ったとしても、過去の「遅れた事実」は消えません。この場合、入管は「適正な納付実績の積み上げ」を求めます。 直近2年間の納付実績が求められるケースでは、これからの2年間、毎月遅れることなく支払い続け、その実績を作ってから再申請する必要があります。この場合の待機期間は「1年〜2年」という長いスパンになります。

3. 居住年数が不足していた場合#

「引き続き10年以上在留」「就労資格で5年以上在留」といった居住要件がわずかに足りなかった場合や、長期出国により居住実績がリセットされていた場合は、単純にその期間が経過するのを待つことになります。これは計算上の問題ですので、要件を満たした時点で即座に再申請が可能です。

4. 素行要件(交通違反など)の場合#

軽微な交通違反(駐車違反や一時不停止など)が数回程度であれば大きな問題にならないこともありますが、繰り返し違反している場合や、重度な違反があった場合は、一定期間の「無事故無違反」の実績が必要です。 一般的には、最後の違反から2年〜5年程度の経過観察期間が必要とされることがあります。反省文を提出するだけで直ちに覆るものではないため、慎重な判断が求められます。

「説明を聞く」プロセスの重要性#

不許可通知書には、具体的な理由は書かれていません。「入管法第22条第2項の要件に適合しない」といった定型文が記載されているのみです。そのため、通知書を受け取った際は、必ず入管の窓口に行き、審査官から理由を聞き出す(聴取する)必要があります。

この聴取は一度きりのチャンスであることが多く、ここで正確に理由を把握し、審査官が示唆する「改善すべき点」をメモすることが、再申請成功への唯一の道しるべとなります。「いつ頃なら再申請の見込みがあるか」というニュアンスを審査官が口にすることもありますので、その言葉は非常に重要です。

まとめ#

永住申請の不許可後の再申請において、法律で定められた一律の待機期間はありません。重要なのは「カレンダー上の期間」ではなく、「不許可原因の解消」です。

収入不足であれば次年度の証明書が出るまで、社会保険の未納であればクリーンな実績を積むまで、素行の問題であれば反省を行動で示せる期間まで待つ必要があります。焦って現状のまま再申請を繰り返すと、かえって「反省がない」「制度を理解していない」と判断され、審査心証を悪化させるリスクもあります。

不許可という結果を冷静に受け止め、指摘された課題を一つ一つ誠実にクリアしていくことが、結果として永住許可への最短ルートとなります。


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