過去に留学から技術・人文知識・国際業務への変更で不許可歴がある場合の対応策#
留学生として日本で学び、就職先が決まったにもかかわらず、在留資格変更許可申請(いわゆるビザの変更)が不許可になってしまうケースは少なくありません。一度不許可になると、「もう日本で働けないのではないか」と強い不安を感じるものです。
しかし、不許可歴があるからといって、将来にわたり全ての申請が閉ざされるわけではありません。適切な原因分析と対策を講じることで、再申請による許可や、将来的な許可の可能性は残されています。ここでは、過去に「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更で不許可になった場合の再申請や注意点について、客観的な視点から解説します。
不許可理由の正確な把握が第一歩#
まず最も重要なことは、なぜ不許可になったのか、その「具体的かつ法的な理由」を正確に把握することです。入管から届く不許可通知書には、一般的な理由しか書かれておらず、詳細な事情は分かりません。
申請人は、地方出入国在留管理局へ赴き、審査官から直接不許可の理由を聞くことができます(これを一般的に「不許可理由の聴取」と呼びます)。この際、審査官は具体的な問題点を指摘します。例えば、「大学での専攻内容と職務内容の関連性が薄い」「過去のアルバイト時間が週28時間を超過していた」「就職先企業の経営状態が不安定である」などです。
再申請を成功させるためには、この聴取の場で指摘された事項を完全にクリアにする必要があります。推測だけで再申請を行うことは、再び不許可になるリスクを高めるだけですので避けるべきです。
主な不許可の原因と再申請へのアプローチ#
「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更でよく見られる不許可原因は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
1. 専攻科目と職務内容の不一致(関連性の欠如)#
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、大学や専門学校で学んだ知識を活かせる業務でなければ許可されません。例えば、ITを学んだ学生が飲食店のホールスタッフとして申請した場合や、翻訳通訳として申請したものの実態が単なる工場労働である場合などが該当します。
この理由で不許可になった場合、同じ会社・同じ職務内容で再申請しても許可される可能性は極めて低いです。業務内容を見直して専門性を高めるか、あるいは自身の専攻を活かせる別の会社に就職し直す必要があります。もし、業務内容に関連性があるにもかかわらず説明不足で不許可になった場合は、詳細な理由書や資料を追加して関連性を立証することで、許可される可能性があります。
2. 在留状況の問題(資格外活動違反)#
留学生にとって非常に厳しいのが、アルバイトの超過(オーバーワーク)です。留学生は原則として週28時間以内の就労しか認められていません。これを恒常的に超えていた事実が入管に把握された場合、素行善良要件を満たさないとして不許可になります。
この場合、直ちにリカバリーすることは困難です。違反の程度が軽微であれば、反省文の提出等で情状酌量されることもありますが、大幅な超過や長期にわたる違反があった場合は、一度帰国して一定期間経過した後に「在留資格認定証明書交付申請」を行う方が賢明なケースもあります。誠実さを欠く虚偽の申告はさらに状況を悪化させるため、事実は正直に申告する必要があります。
3. 受入企業の信用性や安定性#
申請人本人に問題がなくても、就職先の企業の経営状態が極端に悪い場合や、過去に外国人を不法就労させていた経歴がある場合などは不許可となります。このケースでは、本人の努力で状況を変えることは難しいため、より安定した別の企業へ就職活動を行うことが現実的な解決策となります。
再申請における「一貫性」の重要性#
一度申請して不許可になった記録は、入管のデータベースに保存されます。再申請を行う際、前回の申請内容と矛盾する説明をすると、虚偽申請の疑いを持たれてしまいます。
例えば、前回は「通訳業務」として申請して不許可になったにもかかわらず、今回は全く同じ会社で「プログラマー」として申請する場合などは、その経緯や理由に合理性が求められます。なぜ職務内容が変わったのか、実態はどうなのかを論理的に説明し、整合性を保つことが不可欠です。
まとめ#
過去に不許可歴がある場合、次回の審査は通常よりも慎重かつ厳格に行われます。しかし、それは「絶対に許可が出ない」という意味ではありません。
- 入管で具体的な不許可理由を聞き出す。
- その理由(原因)を解消できるか検討する。
- 原因を解消したこと、あるいは誤解であったことを証明する資料を完璧に揃えて再申請する。
この手順を誠実に踏むことで、許可への道は開かれます。感情的にならず、法的な要件と照らし合わせて客観的に対策を練ることが重要です。